短編

傷心後、食堂にて。
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かずやの真面目で優しい所に惹かれて、恋してた。
そもそも高校2年目、同じクラスになって飯食べたり遊びに行ってたのは俺が先だったんだぞ…さちこ。
などと内心悪態をつきながらも、表面に出すわけにもいかない。
俺は2人に、わざと楽しげな感じで話題をふった。

「そんな事より、お2人さんはどこまで進んじゃってるわけ?」
「……」

こんな質問しちゃう俺も、かなりイタイけど。
ああもう、真っ赤になるとこまで2人揃ってかよ。
ちらちらと、落ちつかなげに目配せ合いなんかしやがって。

「…相当進んだな、おまえら」
「バ…バカ涼介、食堂でする会話じゃないだろ」
「そうだよ南君てば…」

2人の反応から内心地の底まで落下していく気分に陥りながらも、俺はにやついた笑いをしてからかう。
珍しく、赤坂は隣でパスタをぱくついて静かだ。
頼むから、こういう時こそいつものテンションで便乗してくれ。
自分で種をまいてがんじがらめになる俺、本当情けない。
同性に片思いするつらさがこれだ。
俺が女だったら2人から遠ざかり、どっぷり悲しみにうちひしがれるのに。

「あ、それより南君に朗報」
「へ?」

話をそらすように、さちこ♀が身を乗り出して来た。
おいおい、胸が強調されるからそんな体勢ヤメロ。
香水もキツいし。
…かずやが参ったのは、これもあんのか。



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