お題

一方通行
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「今、何してた?」
「ん〜…ご飯食べ終わったとこ」
「何食った?」
「カップラーメン」
「相変わらずカップラにマヨネーズ入れてんだろ」
「えーだって美味しいし。…ていうかさぁ。その食べ方あなたに教わったんだよ」
「だっけか。あ、もっと上手い食べ方知ってる」
「えーなに?」
「知りたい?」
「知りたい」
「…じゃあ戻って来てよ」
「え?」
「やり直しましょう」
「…あはは」
「馬鹿、笑うとこじゃないぞ」

真剣に言ってるんだから……電話の向こうで、雪也(ユキナリ)はそう続けた。

言葉どおり、普段のテンポのいい口調ではなく、その声は真剣だ。
こんなふうに、彼からの言葉をはぐらかすように笑ったのは3度目になる。

「…ごめん、そうだよね」
「これは笑い話なんかじゃないんだからな」

知ってるよ。

今回は、僕も笑い話で終わらせないつもりだから。
僕は、机の方に視線を向けた。



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