RUN!

season2
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「ふぁいと〜」

マネージャーの掛け声。
ついこの間まで桜の花びらが舞っていたが、今は強まり始めた春の日差しがグラウンドを照らしていた。


風を切る音が聞こえるような動き。
春の暖かい日差しを受けながら、走る。
背中はあっと言う間に遠のき、見えなくなる。


「ほぇー。相変わらずマッキーの走りはすげぇな」

吉沢の感嘆の声を耳で聞きながら、俺は牧の背中を眺めた。

相変わらずなんかじゃない。

毎日毎日、走れば走るだけ、牧の輝きは増す。

それに比べて俺は…

小さくため息をついた。
タイムが伸びない。
フォームも崩れやすい。
何が悪いのか、もうそれすらわからない状態。


正直、苦しい。


もどかしさを感じながら、俺は3年になった。




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