中編

ばく
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「ぁん……悠ちゃぁん」

めいいっぱい、甘い声をあげる。
彼が私を揺すぶるたびに、私は彼にぎゅっと絡まる。
日に焼けた引き締まった身体。
うっとりしてしまうほどの気持ちよさ。
抱かれてると、彼は私のものだって思える。

さっきみたいな遠い目も、おざなりなキスも気のせい。

だって、彼は私の奥を探っても、まだ足りないみたいに深く求めてくる。
貪欲に、繋がって、攻め立ててくる…



行為が終わった後、私は夢見心地に彼の髪を撫でた。
シーツに二人くるまって。
彼の寝顔を見ていた。
幸せ。
私が望んだ獣が今、目の前で眠ってる。

「ん…」


そっと頬を撫でると、彼は身動ぎして、私の手を捉える。
瞳は伏せられていたけど、その手は私の手をしっかり絡め、そのまま引き寄せる。
強く抱き寄せられ、目を閉じた。

「……う」

耳元で、小さく呼ばれた。

聞こえた言葉に私が眉を寄せていると、そのまま顎を上向かせてキスされた。

「ん…っ」

徐々に激しくなる舌の動きに応えながら、薄く目を開ける。
調度目を開けた彼の瞳は、見た事もない艶があった。
だから、聞こえた名前は気のせいだと思う事にした。




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