波乱万丈真選組物語!

□巡察の意味ってなに?
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「起きなせぇ」

『んん〜・・・・・』







一番最初の台詞は、泣く子も黙る真選組一番隊長沖田総悟。
その彼が、今手にしているものは....バズーカである。
そんな総悟に気付かない茜は、未だぐっすりと眠っている。
すると、総悟が茜にバズーカを向けた。





ーカチャ






「そのまま安らかに眠りな...永遠に」






ードカーン






そして総悟は、言い終わると同時にバズーカを放った。
総悟は自分に被害が出ないよう、すぐに庭へと飛び去った。

数秒後、部屋から悲鳴が上がった。









『ギャアアアアアア!!この、総悟ォォォォォ!!てめぇぇぇぇぇ!!』

「おう、なんでィ。おっと、ボロボロじゃねーか」

『お前がやったんだろォォォ!!』

「さぁ、俺は知りやせんぜ?」

『このヤロー!』








茜は、ボロボロのまま総悟を追いかける。
総悟はそんな茜を見て、笑いながら逃げていた。
そのせいで、先程まで静けさを保っていた廊下が、騒がしくなった。

すると、二人とは別の方向から、すごい勢いで足音が聞こえた。
その、足音の正体は......









「てめぇ等ァァァァァ!!朝っぱらからうるせーぞォォォォォ!!」








土方だった。
彼は泣く子黙る真選組副長。
またの名を鬼の副長、土方十四郎である。

土方は、茜達を見つけ、すぐに怒鳴った。
だが、当の本人達は面倒くさそーな顔で土方を見ていた。








「なんですかィ?土方さん」

『あの、お願いだから、朝っぱらからそんな暑苦しい顔見せないでくれる?土方さん』

「そうでさァ。目が腐るんで」









二人は、青筋を浮かばせまくっている土方に言いたい放題言った。
もちろん、短気な土方が許す訳もなく....逆にブチ切れた。








「てめーらァァァァァ!!そこに直れェェェ!!俺が介錯してやらァァァァァ!!」









土方は、抜刀した。
だが、そんな土方に怯える様子など見せず、二人は今度はこういった。









「『え、絶対嫌なんだけど』」

「ブチッ‥‥‥死ねェェェェ!!」








土方は、二人のふざけた態度にまたまたブチ切れた。
抜刀した刀を容赦なく振り回しながら、茜達を追い回した。
茜達はそんな土方の様子を見て、爆笑しながら逃げていた。
だが、追い回している内に茜達は、食堂に入っていった。
土方は舌打ちをしながらも、二人の後を追うように食堂に入っていった。

中には既に、たくさんの隊士達がいた。
皆仲良く、朝食を食べている。
先程入っていった沖田達は、一番端の席に笑顔で座っていた。
土方は特に気にしようともせず、自らの朝食を取りに行った。
だが、土方は甘かった
朝食を取り、席に座ろうとしてはじめて気付いた。



席空いてねェェェ!
え?うそ!
普通何席かは空いてるだろォォォ!!



土方は朝食を持ったまま絶句していた。
だが、実は一席だけは空いている。
それに気付いていながらも、そこに足を進めないのは...その席が......
茜と沖田の間だからである。
朝食を静かにすませたい土方にとってその席は、地獄以外の何者でもない。

そんな若干混乱状態の土方に、その席を勧めたのは言わずもがな、沖田だった。




「なーにそんな所で突っ立てるんですかィ?
ほら、ここなら空いてやすぜ?」








そう言って指さしたのは、隣の空いている席...
ではなく、お茶がポツンと置いてある床だった。

その後、沖田は見せつけるように席をつめ、茜の隣へ行った。
茜はあまり気にしないでそのまま食事を続けた。

土方は内心ブチ切れながらも、沖田がつめて空いた席へ行った。
そこも決して安全な場所ではないのだ。
だって左隣には沖田がいるのだから。

だが、土方は落ち着いて席に座った。
そして、ご飯などがのせてあるお盆をテーブルに置く。
その後、なぜか懐からマヨネーズを取り出す。
何をするのかと思えば、土方はそのご飯など全てにマヨネーズをたんまりとかけていった。
三個のマヨネーズを空にして、やっと箸をつけた。
なんとも異様な光景だが、こんな事は日常茶飯事のため皆慣れているのだ。
慣れというものは恐ろしい。

だが、そんな中このマヨネーズまみれになった食べ物を睨めつけている者が二名。





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