波乱万丈真選組物語!
□巡察の意味ってなに?
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『なんか用ッスか?土方さん』
「用ッスか?じゃねぇ.........てめぇ、さっき散々言ってくれたな......次言ったら書類増やすぞ」
『......。』
しばしの沈黙...。
口を開いたのは、茜だった。
茜は死んだ目を一瞬でいつもの目に戻した。
いや、いつもの目じゃない......
瞳孔が開いた目だった。
それはそれは、土方に負けない程の開き具合である。
そんな、誰もが怯える目を土方に向けた茜。
そして......
『なんだとォォォ!!書類を増やすって、今でもやってないのにィィィ!!!
そんなことされたら、バレちまうじゃねーかァ!!』
「書類だけで、何その迫力!?
つーかオイ。今でもやってないってどういう事だ、バレちまうってどういうことだ。」
『あ、ヤッベ!』
土方は茜の妙な迫力に、最初は驚いていたが......
すぐに茜の言葉に反応し、聞き返した。
瞳孔開き気味で......
そんな青筋を立てまくっている土方に、茜は自らの言った事を思い出した。
そしてすぐに後悔した。
現在の茜は、冷や汗ダラダラだ。
瞳孔も完全に閉じてしまっている。
もう、成す術なし。
大人しく前に出る...。
『......わけねーだろォォォ!!』
━━ガスッ
茜は勢い余って、土方の顔面に飛び蹴りをした。
茜の威力に耐えられるわけもない土方は、鼻血を鼻から吹き出しながら(←当たり前)後ろに倒れた。
そんな光景を見て、爆笑している者が一人。
もちろん、沖田だ。
あ、総悟いたんだ。
気づかなかった。
そんなことを茜は心の中で思っていた。
すると、突然沖田が茜の方にズカズカと近づいてきた。
茜が不思議に思い、首をかしげていると...
沖田は突然、茜の顔を鷲掴みにし.........
「なんか、言いやしたか?」
と、真っ黒い笑顔で言った。
茜は青ざめながら、こう言った。
『いえ、なにも......』
え?
つーか、今完全に心の中読まれた感じ?!
まさか、口に出てたとか!?
いや、そんなマンガのようなことが......
「あるから聞いたんでィ。全部口に出てんだよ、バーカ。
あ、ちなみに今のもなァ」
『い、今のも?!
つーか、バカじゃねーし!』
「十分バカだろィ。
今回は土方のあんな様見せてくれたから、許してやらァ。
次言ったら...
まあ、バカなお前でも分かりやすよねィ」
沖田は茜を一睨みし、顔から手を離した。
いや、離したよりも投げ飛ばしたの方が正しいかもしれない。
『ゴフッ!!』
茜は重力に逆らえぬまま、後ろへと吹っ飛んでいった。
そして、顔面がテーブルに当たる......
と思ったら、なにやら人影が茜とテーブルの間に現れた。
その人影とは......
山崎だった。
山崎はそのまま茜と一緒にテーブルへと飛んでいった。
―――ガッシャーン
『....ガハッ!いたァ〜。
し、死ぬかと思ったァ〜。』
「あのスイマセン、隊長」
ちなみにコイツは副隊長の芳原悠魔。
めっちゃ優しいね、うん。
否定しないよ。
けど......
「隊長、大丈夫ですか?ほら、立ってください。」
『ありがとよー、惚れちまいそうだぜコノヤロー』
「別に惚れようが惚れまいがどっちでもいいですけどね。なんか泥酔したおっさんみたいなんで、止めて下さい。』
たまに毒をはく。
気にしてんのはあたしだけかもだけど、結構グサッとくるんだよね〜これが。
いっつも無表情だから余計怖いし。
ほら、良く言うじゃん?
まるで、ダメな奴でも、怒ると恐いって。
略して、マダオ。
あ、ゴメンつまんなかった?
いや〜ホントごめんなさいね。
ボケるの癖みたいでね。
「さっきからなにを1人でブツブツいってんですか?」
『読者様に君についての紹介をしているのさ』
「うざいんで、ドヤ顔やめてください。切腹させますよ....副長に」
「なんで俺ぇ!?」
『ふはは、ざまぁ!』
「