波乱万丈真選組物語!

□巡察の意味ってなに?
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「んだよ、ジロジロ見やがって......欲しいのか?茜、総悟」

『「いや、それは無い」』

「...。」







真顔で言ってのけた茜と総悟。
そんな二人にイラッときながらも、土方は平常心を保っている。



落ち着け、俺!
こんな事でキレてたらきりねーぞ!
俺なら我慢できる!
俺ならできる、俺ならできる!



土方の心の葛藤は、見ててあまり面白くない。
いや、まあそういうのは置いといて。
まあ、とにかく土方は頑張っているのだ。
だが、次の2人の言葉に土方の平常心を保つという行為が脆く崩れることになる。







『いやさー、朝からそんなもの見せられると不快なんですよね〜マヨ方さん』

「そう言う事でさァ。だから、早くその犬のエサしまえよー...
ついでに死んでくだせェ、土方さん」

「.........ブチッ...」







土方の中で、何かが切れた。
次の瞬間、土方は青筋を立てまくりながら大声をだした。







「てめーらァァァ!!!!上等だァ!!表出ろやァァァ!!!」

『だってよ、総悟。』

「何言ってんでィ。あれは完璧にお前の事でさァ。」

『は?何言って...「うるせェェェ!!!てめーら、2人共だァ!!」







土方がそう叫ぶと、茜はあからさまに舌打ちをした。
幸い、土方には聞こえていないようだ。
今聞こえていたら、どうなることか......。

そんな事より、今は土方の怒りをとめるのが先決だった。
周りの隊士達は怯えて動けない。
だが、このままいくとあの2人の事だ...また、余計に怒らせてしまうだろう。
そんな状況の中、一人の救世主が現れた。

それは.........







「まったく、お前達は朝から元気だな〜」







真選組局長、近藤勲だった。
彼は真選組のトップだ。
その為、彼らを止めるのは容易だろう。

だが、ここは一味違う場所。
救世主ではあるが、そんなに役たたない。
なぜかと言うと......







『うるせーよ、ゴリラ』

「静かにしてくだせェ、ゴリラ」

「ゴリラは黙ってろォォォ!!」







この通り、ゴリラと認識されている。
でもまあ、良いところはあるわけで......
一応、真選組隊士は皆この人についてきた人が多い。
とにかく、バカでゴリラだがいい人間だということだ。







『つーかさー......早く食べたいんですけど...
土方死んでほしいんですけどォ』

「俺だって早く食いてェんだよォ!!つか、てめーが死ねやァァァ!!」

「おーい、皆聞きやしたかィ?土方は女子供まで殺そうとする最低野郎でさァ!!
つーことで、副長は俺の方がいいよなァ!!」

「いいわけねーだろォォォ!?」







土方はキレながらも、正確に突っ込んでいる。
それを見て楽しくなったのか、隊士まで沖田の言葉に弁上し始めた。







「そーだ、そーだ!」

「副長は沖田隊長にィ!!」

「ついでに死んじまえ、土方ァァァ!!」

「おいィィィ!!今死ねって言った奴出てこい!!!俺が介錯してやらァァァ!!!!」







茜は、そんなコントをして騒がしい中、黙々とご飯を食べていた。



いや、だってさ?
あんなのに朝から付き合わされてたら、あたしの身が保たないから.........
今日は巡察の日なんだよ、体力残しとかないと...
ま、あたしが行くわけないけどね
正確には、巡察を行かずにサボるあたしに気付いて怒鳴ってくる土方さんを、軽く受け流すための体力だけど......



そんなことを思いながら、食べ終わった食器をかたす。
いや、正確にはかたそうとした。
何者かが茜の肩をつかんだため、先に進めないのだ。
茜は若干半目になりながら、後ろを振り向いた。




そこにいたのは.........





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