淡逝
□第一話
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『……はぁ…』
いつもの朝。
かたいベッドのせいで、伸びをすると体の節々が痛かった。
憂鬱だ。
カーテンを横にスライドすれば窓の外は晴天なのに、
私の心は曇りか雨のようだった。
「……」
ベッドからおり、顔を洗いに洗面台へ。
てきとうにトーストを焼いた朝ごはんを終了させ、歯を磨く。
お弁当は作ろうと思って、やめた。
どうせぶちまけられるのだから、意味ない。
制服を着て、けっこうな長さの髪を櫛でとかし、鞄を持って玄関へ。
「…いってきます」
誰もいないのもいつものこと。
暗い静けさに、私は無言で家をでた。
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