銀魂

□第一印象はかなり記憶に残る
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怜にお願いという名の命令をされたエルは、渋々屯所の前まで来ていた
手に持つ紙には、隊士募集中の文字

帰ったらあの天パ毟り取ってやる。

そんなことを思いつつ、屯所の門をくぐった
視線で気配を探るも、誰かが生活しているような空気はない

『…誰もいねェのかァ?』

しん…と静まっている屯所
恐らく、皆出はらっているのだろう
それにしたって誰もいないというのは、少々おかしいように思うが

『チッ、無駄足じゃねェか。仕方ねェし出直すか…』

舌打ちをし、今来たばかりの道を戻ろうと方向転換する
そして、足を一歩踏み出そうとした
その瞬間

『ッ、あァ…?』

咄嗟に、空に浮いた片足を無理矢理後ろに下げて上体を反らす
目の前を過ぎ去っていく銃弾
通常、人間の目には見えるはずもないが、彼は武器なのでそれがよく見えた

『ォ、っと…!』

無理な体勢にバランスを崩し、その場に尻餅をつくエル
と、彼の上にひとつの影が重なる

『っ、__』

見上げると同時、首筋に突きつけられる刃
エルは切れ長な目をぱちりと瞬かせ瞠目した

『オマエ…』
「不法浸入の現行犯で即刻逮捕でさァ」

そこには、以前会った栗色の髪をした青年の姿があった






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