銀魂

□馬鹿な奴はリアルとアニメの区別がつかない
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「銀さん。買ってきましたよ」
「おう、サンキューなぱっつぁん」

銀時はソファーに寝転んだまま、新八から渡されたコンビニの袋を受け取った
その中に入っているのは、当然のごとく彼の愛読書であるジャンプだ
ビニール袋からジャンプを取り出し、パラパラとページをめくる
と、めくられていた手が止まり、今度はとばすことなく、しかもどこか丁寧な手つきで読み始めた
やがてその話を読み終えたのか、溜息をつく銀時
そして、一言

「あー、やっぱ五十嵐怜 最高だわ」
「…銀さん。いつになったらジャンプ卒業するんですか?仕事もろくに来ないのに…」

どこか恍惚とした表情で呟く銀時に、銀時が寝転ぶソファーの向かいに座る神楽にお茶を出しながら新八が言う
それに対して、銀時は庇うようにジャンプを抱きしめると反論した

「ジャンプは パフェに次ぐ俺の人生の楽しみなんだよ。卒業なんてするわけねぇだろ」
「それ、ただの現実逃避ですよね…」
「そんなもん読んでる暇があるなら、酢昆布のひとつでも買ってくるアル」

マダオを見るような目で自分を見る若人ふたりに、銀時はうるせぇと短く言う
そうしてがばりと身を起こして反論した

「大体神楽ァ、おめーも五十嵐怜のアニメ見てはしゃいでたじゃねぇか」
「あ、そういえばもうすぐ第2話始まるネ。新八ー、リモコン取れヨ」
「はいはい」

神楽に言われ、新八がリモコンを渡す
銀時もテレビに集中するためにジャンプを横に置く
テレビをつければ、前番組の終了と共にアニメのオープニングが流れ始めた

「おー、ちょうど始まったな」
「やっぱりオープニングからかっけーアル!」
「二人共、テレビに近づきすぎですよ。僕も見たいんですから、もっと離れてください」
「うるさいダメガネ」
「逆ギレ!?」
「はぁー…五十嵐怜が現実にいたらなァ。マジかっけェ」
「何夢みたいなこと言ってるんですか」

と、テレビの映像が乱れた
三原色が邪魔をしてアニメの内容が一切わからなくなってしまう

「あり?また故障か?いつまでも反抗期してんじゃねェよ」
「銀ちゃん。私に任せるアル」
「お前にやらしたら余計壊れるわ。…ん?」

乱れていた画面が、ぷつんという音とともに真っ暗になった
そして突然、あり得ないほど光り出す

「何だコレ…!?」
「うわ、眩しっ…」
「何アルか…!」

強い光に、三人は目を瞑った
 



 
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