中編・短編集

□ポッキーゲーム
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飛鳥×エルで、ギャグ。not恋人。



「えーいとっ」

「…飛鳥か。何だ?」

「じゃーん。 ポッキーだぞー?」

「……」

 目の前の男は、何故かドヤ顔でポッキーの箱を見せつけてくる。

 甘いもンが嫌いな俺としては、嫌がらせにしか思えない。

 開封していないにも関わらず、甘い匂いがするよォな気がする。

 思わず、顔をしかめる。

「おや、反応なしか?」

「…それがどォしたンだよ」

 ため息をつく。

 失礼かもしれないが、相手はただのメルヘンなストーカー野郎だ。

 気にすることではない。

「ポッキーと言えば、やることはひとつだろう!?」

「…で?」

「え、わからないのか!? くそ、鈍感&純粋どころじゃないぞ…」

 …何言ってンだコイツ。

 頭おかしィンじゃねェの?

 あ、いつものことか。

「ポッキーといえば!!」

 うるせぇ…。

 いきなり何なんだよ、マジで。

「ポッキーゲぇぇぇぇぇっム!!! だろ!?」

「いや、そンな常識ですみてェな顔されても。ポッキーゲームって、合コンとか恋人同士がやるもンだろ?」

「私と影人は恋人同士だろう!!?」

「いや、違ェし」

 何言ってんだコイツ(本日2回目)。

 頭おかしィンじゃねェの、って頭おかしィンだった。

 飛鳥くンってばマジメルヘン。

 とりあえず、ぎゃーぎゃー騒ぐ飛鳥が煩かったから、ポッキーを突っ込ンで黙らす。

 指にチョコがついて、洗いに行くのは面倒なので舐めたら、やっぱり甘くて。

「…甘いな」

 って思わず呟いたら、飛鳥が

「当たり前だろ?チョコなんだから。 影人は馬鹿だなぁ」

 とか言われて笑われたから、思いっきり顔面に回し蹴りを叩き込ンでやった。



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