言の葉

□CD未収録(2)
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【かえるのうた】




空を飛べない蛙の声は
誰を呼んでいるのか
山の向こうまで届きもしないのに
寒そうに体震わして

しゃがれた醜い歌だから
誰かがほら耳塞いだよ
真っ暗闇に吸い込まれて
消えたラヴソング

月の見えない夜には
地球も感じられないだろう
君に会えなくなったら
僕はもういないのと同じ





真冬の河原は心の奥底
見透かしたように澄んだ色だね
凍えてしまっても心配要らない
僕も随分強くなったよ

手足も生えたし尻尾はもう無い
声を手に入れて歌ってる
それでも時々寂しくなるから
夜空を見上げて歌ってる

傷口を塞ぐだけなら
難しいことじゃないだろう
君に会えない時間を
眠ってやり過ごすようなもの

目を閉じれば何も見えなくなる
なんて嘘だ
だってこんなにも君が見えるよ
僕の心の夜空に今日も月は出ている





月の見えない夜には
呼吸も止まってしまうだろう
もしも君を失ったら
僕はもういないのと同じ

僕は 僕はもういないのと同じ



0Am

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