言の葉

□第2弾CD
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1【バター】




フライパンに乗っかってる
ふわふわなそれをひっくり返して
食卓に並んでる
アンティークのお皿に移して

君は何も知らず いつも通り
僕にとっちゃこれが最後の手料理

ブラインドでダイニングに
縞々の光が揺れていて
蝶々を追いかけるみたいに
ずっとそれを目で追って

恋の終わりには綺麗すぎて
言わなきゃいけないことも
言えなくなる

パンケーキにかけた
バターが溶けたら
思い出も泡になって
消えてくんだろうな

僕が君にかけた魔法が解けたら
君はもう普通の女の子になる





流し台に蛇口から
ポタポタと滴が落ちて
また次第に君への疑いと
愛着が入り交じって

悩める僕など置き去りに
大げさな荷物を肩にかけ

手を振って出かけた後ろ姿が
今までで一番 魅力的に見えた

ドアに鍵をかけて この場所から
僕がいなくなっていたら
泣いちゃうかな





また君の笑顔を見ちゃったら
言わなきゃいけないことも
言えなくなる

半分に溶けたバターを見てたら
まるでどっかの二人みたいに思えた

僕が君にかけた魔法が解けたら
君はもう普通の女の子になる

君はもう普通の女の子になる



4C

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