言の葉

□第3弾CD
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4【ゲルニカ】




ある日窓の外を核ミサイルが飛び
僕の夢も何もかもが飛ばされて
どこかの国の軍事評論家たちが
あらゆる言葉でそれを嘆く

己の力を見せつけたいがために
行われた戦争ゲームの果てに
赤と青と白と黒の雨雲が
子供たちの未来塗り潰す

どうしてまた繰り返す
そしてまた描かれたゲルニカ

心ごと切り裂いて悲しみを忘れても
また次の悲しみが降る
誰の為 何の為 汚されて流されて
殺されて来たの僕たちは





武器を取り上げたら戦争は消えた
そしたら今度は素手で殴り合った
腕をもぎ取れば殴り合いも消える
今度は言葉で罵り合う
舌を抜いたら罵り合いも消えた
けれども懲りずにまた目で睨み合う

あぁ僕らって一体何だったの?
あれもこれも取り上げなきゃ

キリがない地獄絵図
そしてまた風に舞う白旗

誰だって僕だって憎んだり恨んだり
汚い部分なら持っている
君は言う「それが人」
僕は言う「されど人」
まだ見放すのは早すぎる





夏が訪れ僕らを包み込んでいく
いつか見たような景色が浮かんで
戦地に咲いた向日葵
小さな手に握られた銃口は
果たして誰に向けられているの?
鏡のように目の前に立つ人影は
あなた自身さ





僕らの手で世界を
壊すことのないように
悲しい絵をもう二度と
描くことのないように
僕らの手で未来を
壊すことのないように
こんな歌をもう二度と
歌うことのないように



0Am

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