古いモノをお望み?
□結局ナニされても許しちゃうのが惚れた弱みよね。
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―ああ…。
好きだなぁ……。
無邪気な笑顔とか、明るい声とか。
大きな瞳とか、サラサラした髪とか。
コロコロ変わる表情とかタマンナイ。
可愛いなぁ…好きだなぁ……。
白くて柔らかい肌なんか…とってもオイシソウ…。
…ねえ…?
食べてもイイ?
「いやいやいやいやオカシイでしょ。
そんな可愛らしく小首傾げて『食べてもイイ?』って言われても良いワケがないじゃんダメに決まってるじゃん。」
何だかよく分からないが、いきなり姿を現したと思えば私の身体の上に覆い被さって来た透明人間ちゃん。
ちょっとちょっと何か顔近いんですけどそんなに迫ってこないでよチューしたくなるじゃん。
「じゃあチューしようよ?」
「いやいやいやいやあのねスマイルくん…チューというのはだね……」
「ちゅー」
「ちょっ…人の話を聞かんか!目を閉じてそんな可愛く迫ってくるな!」
あくまで譲らない透明人間ちゃん。
ちょっともう…ホントどうしたのこの子は;
「いいかいスマくん、チューというものには色んな意味があるんだよ?」
手の甲なら尊敬のキス。
額の上なら友情のキス。
頬の上なら厚情のキス。
唇の上なら愛情のキス。
瞼の上なら憧憬のキス。
掌の上なら懇願のキス。
腕と首なら欲望のキス。
「…じゃあ身体の全部にキスしてあげるよ。」
突然ラブリーからセクシーに切り替わった透明人間さん。
うぁドキッとした。ちょっと流されそうになった。
「手の甲、額、頬、唇、瞼、掌、腕、首へのキスは分かったけど…それ以外の場所だったらどうなるんだい?」
…それ以外なら、狂気の沙汰と言われてるけど…
「へぇ…狂気の沙汰、か」
「ひぇっ…」
耳舐められたよヌルっとした……!一気に栗立った私の肌。
そんな私を見て楽しんでいらっしゃるご様子の蒼い鬼畜さんは、喉の奥で笑っている。
「ヒッヒッヒッ……狂気なんて、ぼくにピッタリの言葉だねぇ」
チュッと再度耳に口付けられる。
正直たまらん。耳にキスする時リップ音使わないでほしい。
それを分かっていてワザと使っている彼だから尚のこと性質が悪い。
「ねぇ…」
耳元で、いつもよりちょっと低めなセクシーボイスを囁かれた。
「ぼくに食べられる覚悟、出来たかい?」
……抵抗する気はもうアリマセン。
だって、何だかんだ言いながらも、やっぱり私はスマイルが好きなんだもん。
結局ナニされても許しちゃうのが惚れた弱みよね。
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