古いモノをお望み?
□あなたが愛しい。
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あるはずの無い体温が愛しくて、求めたくなるとき。
あなたなら、どうする?
「突然どうしたんですか?」
紫頭の獣神官が、いつも通りのニコ目のまま小首を傾げてこっちを見る。
「ずっと考えてた疑問なの。
ね、ゼロスならどうする??」
手に持っていたホットミルクを啜りながら、ゼロスは考える素振りを見せた。
…ホントに考えてるのか分かんないけどね。(ていうか絶対考えてないと思う。)
「う〜ん…ある筈の無いものなんでしょう?
だったら、求めても意味無いと思いますけどねぇ。」
チクリ。
…ゼロスの言葉に、胸が少し痛んだ。
求めたって意味が無い。
そんなことは分かってるの。
でも、どうしても求めてしまう……。
「どうかしましたか?」
「…ううん。なんでもない、よ」
あなたの体温が、愛しい。
口に出したら、どんな顔をするかしら…?
ふわり。
身体が何かに包まれた。
「ゼロス…?」
「寂しくなったら、いつでも貴女を包んであげますよ。」
体温を感じない身体が、温かく感じた。
あなたが愛しい。
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