古いモノをお望み?
□時間なんか止まってしまえば良いのにね?
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「はぁぁ…走って来たから疲れちゃった…」
草の上に座り込んで、大きく息を吐く。
「…休んでいくかい?」
「うん…私はちょっと休憩してくよ。
猫さんは早く、お姉ちゃんの所に行ってあげて?」
僕を真っ直ぐ見据える純粋な瞳…。
……君は、何よりもアリスの心を優先にするんだね。
「猫さん?」
「君がここにいるなら僕もいるよ。
君を一人にするのはイタダケナイからね。」
それに、一緒に行かなかったらアリスが心配するよ。
そう呟けば、君の瞳が少しだけ迷うように揺れた。
この言葉は嘘じゃない。
僕らのアリスも、君のことを何よりも大切にしているからね。
「そうかなぁ…?
……じゃ、ちょっとだけ付き合ってくれる?」
「君が望むなら。」
僕にとっては都合の良い事だね。
…もう少し、君と二人っきりでいたかったから。
時間なんか止まってしまえば良いのにね?
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