刑事の間

□君、かわいいね
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 「とりあえず梨桜ちゃんが怯えてるんで、私達から離れてもらえますか?
 てゆーかもうこのまま捜査に出掛けるんで!良いですよね桐沢さん!」

 梨桜の手を握ったまま勢い良く机から立ち上がると、由羅は野村と距離を取るために足早に桐沢の傍まで移動した。
 由羅の勢いに押されて、どもりながらも返事をする。

 「お、おう。それじゃ頼んだぞ」
 「了解です!七瀬ちゃん行こう!」
 「は、はいっ」

 半端引き摺られるようにドアの前まで連れて行かれると、後方からのんびりした声が飛んできた。

 「え〜、もう行っちゃうの?
 華がなくなちゃったらここにいてもつまんないし、俺も退散しようかな〜」

 思わず振り返って野村の方を見る。
 野村は甘い微笑みをその顔に浮かべ、小さく手を振った。

 「またね〜、七瀬ちゃん。
 今度は二人っきりで、ゆっくりお話しようね?」
 「二人っきりになんてさせるか!!」

 野村の軽い言葉を一刀両断にした桐沢は、目で由羅に早く行けと合図した。
 由羅はその合図にビシッと敬礼をし、梨桜の手を引っ張って廊下に飛び出す。

 二課を出て行った彼女達を見送り、野村は楽しくて仕方ないというように笑っていたのだった。


 −Aへ続く−

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