刑事の間

□君、かわいいね
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 梨桜の言葉に四人は硬直し、ええええ!?と声を上げる。

 「ボス、ホントなんですか?」
 「…あ!そういやそうだった!でもこんなお嬢ちゃんがだったとは…」

 桐沢がまじまじと梨桜を見詰める。
 そんな桐沢につられるようにして、三人も彼女の顔を見詰めた。
 皆の視線に押されつつ、梨桜は呟く。

 「え、えっと…私これでも21歳なんですけど…」

 梨桜の年齢を聞いた皆は再度ええええええええ!!!と悲鳴に近い声を上げた。

 「うっそ!梨桜ちゃんお酒飲める歳だったの!?」
 「てっきり17、8歳くらいかと思ってた!」
 「いや、流石に17、8では警察官にもなれないでしょう。」
 「それにしても…21歳か…21…驚いたな……」

 しげしげと見詰められる梨桜。

 「…皆さんそこまで驚かなくても……」

 確かに童顔だし身長だって小さいですけど…。
 自分で言っていて落ち込んでしまったのか、梨桜は情けなそうに俯いた。
 そんな梨桜に気付いて、由羅が必死にフォローを始める。

 「あ!いやえーっと、でもまあ人間中身だし!外見で判断とかしないよ!ねえ皆!」
 「そうそう!ちっちゃい方が可愛いし!」
 「ロリは正義です。夜のギャップもあれば、言う事なしですよ?」

 三者とも全くフォローになっていない。
 梨桜はこの先が不安になっていった。
 そんな彼女を察したのか桐沢が口を開く。

 「京橋、さり気にセクハラをかますな。
 ……とりあえず七瀬、二課にようこそ。
 二課には後、三人ほど曲者がいるんだが、生憎今は捜査に行っててな…。
 夕方には帰ってくるだろうから、とりあえずこの場にいる奴らの自己紹介だけしとくぞ?」

 桐沢が進み出て、梨桜に自己紹介を始めた。

 「俺は桐沢洋。桐沢で良いぞ。よろしくな」
 「はい、よろしくお願いします!」
 「私は黒木由羅。実は私も二課に来て一ヶ月くらいなの。新人同士だし仲良くしようね?」
 「はい!」
 「僕は八千草瑛希。分からない事があったら何でも聞いてね?」
 「よろしくお願いします!」
 「私は京橋克之と申します。梨桜さんでしたら手取り足取り、何でもお教え致しますよ?」
 「よ、よろしくお願いします…」

 一通り自己紹介を終えると、桐沢が再度口を開いた。

 「七瀬の世話は…黒木、お前に任せる。女同士の方が気軽に話せるだろ?」
 「了解です!改めてよろしくね、梨桜ちゃん!」
 「はい!ご指導よろしくお願いします!」
 「よーし。自己紹介済んだし、お前ら仕事に戻れー」

 桐沢の一言で各自中断していた作業を再開する。

 「そうだ梨桜ちゃん、道分からないと何かと不憫だよね、警視庁内案内しようか」
 「良いんですか?ありがとうございます由羅先輩!」
 「先輩…!いい響きだなぁ…!こんな可愛い後輩持てて、私幸せ者だね〜」

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