短編1
□放浪猫はどこへ行く
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「………ああもうまた」
セキュリティーは万全な筈のプライベートルームの柔らかな絨毯の上に寝転がる娘。
甘栗色の長い髪を無造作に広げて着ている着物は薄手のワンピース一枚。
やはり寒いのか日が射す場所を求めて寝返りを打つ(が生憎今は夜だ)
「呆れた娘だ」
シーツの下からブランケットを取り出しふわりと被せてやればにへらっと力の抜けた笑みを浮かべた。
(全く、どこから侵入してくるんだろうか。そして隼人は何をしてるんだろう)
長年自分に傾倒し付き従ってきた部下に制裁を考えながら冷え切っているとわかる自分の手を彼女の細い首筋に添えた。
「んっ…」
眉をしかめて体を丸める姿は正しく猫だった。
放浪猫はどこへ行く。オレはついていけないから、
さぁ、今度はいつまで留まってくれるのかなぁ。取りあえずいくら絨毯でも床はなんだからベッドに移動しよう。うん、しばらくは良い湯たんぽになるな(ぎゅう)
久々つなよしー(●ё)人(ё●)