◆緑の書◆

□第1話:二人の出会い
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伊予県南しまなみ市。別名“海の薫る碧き街”。
夏真っ盛りの街は、空と海の青が街の存在感を際立たせる。
森の緑も負けじとその色を濃くする。



「むぅ、困ったな。」

緑に溶け込めない人間を数匹の野犬が取り囲んでいた。

「ふむ、地図で最短距離を割り出したまでは良かったが、地形までは計算に入れていなかったか……。どうやら改良の余地があるな。」

目の前には大きな崖が広がっている。そんな中、体長3mはあるかと思われる野犬(なのか?)が久々の餌なのか口からよだれを垂らしている。

「よし、北に行こう。少なくとも海には出られるはずだ。」

周りの出来事を無視するように地図をきれいに折り畳んだ。それが合図になり野犬達は一斉に飛び掛かった!!

「ふう、あいにくおまえ達の餌になるつもりはないのでな。」





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