◆緑の書◆
□第4話:翔吾の挑戦
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「集まったわね。未来の御庭番候補生諸君。私が試験官を務める森久憲子よ。そしておなじく試験官を務める藤原雪浩氏です。」
「ごふっ!?」
いきなりの事で驚く(丁度飲み物を飲んでいたため思いっきり肺に入った。)が、周りの生徒達に挨拶する。
「失礼、紹介にあずかった藤原雪浩だ。公平な審査を期するので持てる力を発揮してくれ以上。」
「今日は知っての通り顔見せだけど戦いはすでに始まっているわ。」
周りの連中の目付きが鋭くなる。
「なんで、あんな挑発を?」
結局、簡単な試験の流れを説明するだけにおわった。
「見た?みんなの顔……。みんな御庭番になりたいのよね。」
「ご苦労な事だな。で、俺に試験官を頼んだ意図は?」
「単に翔吾の見届け人。」
「完全に贔屓だなおい。」
溜め息をはき、ジト目でモリコ先生を睨み付けた。
「貴方が休んでいた間に私が翔吾を鍛えたから見せておきたくてね。翔吾!!こっち来なさい!!」
モリコ先生が翔吾を呼び付ける。
「試験前の調整もかねて“札”の扱い方を教えるわ。」
「ちょっと待て!!それは完全に贔屓だろ!?」
しかし、モリコ先生は何か問題でも?と言った顔でこちらを見る。
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