レポートH

□探索物件in岐阜
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レポートNo.26:多治見の洞窟

所在地:岐阜県多治見市脇之島六丁目→地図






今回は多治見市にある某洞窟です。別名P字防空壕や古虎渓防空壕とも呼ばれています。

当物件、実は防空壕ではなく鉱石採掘のための坑道というのが真実です。

ここでは明治から戦前まで金・銀・マンガンを採掘しており、戦中はマンガン鉱を採掘していました。

戦後、坑道内から湧く鉱水にミネラル成分が多い点に着目し、鉱山から『金山温泉伊津美ホテル』という入浴施設となりました。ちなみに伊津美というのはオーナーの泉氏から取った模様です。

金山温泉伊津美ホテルはちょうど現在愛岐道路が通っている付近にあって、愛岐道路建設が開始される前まで営業を続けており、平成に入るころまでは愛岐道路下の土岐川の川原にタイル張りの浴槽跡が残っていたそうです。

肝心の坑道ですが、ホテル時代は鉱水を輸送するためのパイプが敷設され、廃業後は泉オーナーが坑道をホテル敷地内にある自宅の天然保冷庫として利用していたようです。泉オーナーに頼めば洞窟内部を見学させてもらえたそうです。

泉氏の自宅について、1985年のゼンリン地図の多治見市にはまだ記載されていますが、1990年版あたりから泉の名前が消え住宅も点線となり番地も廃番となっていて、明らかに跡となっています。

恐らくこの期間に氏はお亡くなりになられ、住宅は取り壊しとなったと思われます。何せ、30年前の記録で泉氏は87歳となっていますので…。
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