理屈じゃない

□オーシャンブルーの涙
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(届け、)






愛してる



僕らには解らない感情だ。好き、とは違うんだってトグサくんは言ってた。
嬉しくて楽しくて、でも切なくて哀しいんだって。
愛しいは慈しむ気持ちにも似てるとも言ってたっけ。どっちにしろ解りませんけど。
そういえばいとしいってかなしいとも読むよね。何となく解りそうな予感!
大好きは愛してるとは違うのかな?
大好きがいっぱい集まって、一つの別の集合体に成ったのが愛してるじゃないの?
そう言ったらトグサくんは少し困ったような表情をした。
僕らの思考パターンはトグサくんの感情を時に確実に理解することが出来ない。それが僕らは「悔しく」て「悲しい」。



僕らは確かに存在していた。



僕らは「僕ら」であって「僕」にはなれない存在だけど、バトーさんと居ると僕は「僕ら」の中に於いて「僕」でいられた。バトーさんは僕を必要としてくれるし、嬉しかった。それは並列化しても猶色濃く残った。天然オイルの所為だって小佐は苦い顔してたなぁ。



痛いって感覚は、ない。



だから、悲しまないで。
僕らは感覚はないから、痛くもないし辛くもないんだよ。弾丸だって恐くない。
でも、怖いのかも知れない。
だってもうバトーさんに敢えなくなっちゃう。
天然オイルだって貰えないし、一緒に筋トレも出来ない。トグサくんとオセロもバトーさんと散歩も出来なくなっちゃうんだって思ったら、解らないはずなのにとっても「悲しく」て「切な」くて。
まるでオイルが何時か見たミキちゃんの涙みたいに溢れて流れた。
ねぇバトーさん、僕のオイルは何色ですかね?ミキちゃんと、同じ色がいいなぁ。おそろいってなんかいいよね!


そして、同時に「嬉しかった」。


バトーさんは助かるんだ。生き残って、僕たちを覚えていてくれるんだ。ミキちゃんがロッキーをずっと忘れないみたいに。
だから僕たちは「淋しく」ない。
僕たちは大好きの意味も感覚も、本当の意味では解っていないのかも知れない。
漠然で曖昧で、強く問われればきっと応えられないだろう。
それでも、敢えて僕らは叫びたい。



あいしてるんだ。


大好きなバトーさんが愛した9課を。
誇れるんだ。
そんな9課を、バトーさんを守れることを。

ねぇ、バトーさん。
僕らはみんなバトーさんが大好きですよ。










(さよなら)










タチコマ、と。

大好きなバトーさんの声が聴こえた気がした。










オーシャンブルー




タチコマ最期の時。
泣きましたよ真面目にキタ。タチコマ切ない。








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