理屈じゃない

□死んだ小鳥が愛を歌うのなら
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「あ、可愛い」

小鳥が枝でさえずるのを見上げたアリスがそう洩らす。

「アリス、お腹が空いてるのなら僕をお食べ。鳥が食べたいのならもっと育っているのにおし」
「違うわ」

ぷくりと頬を膨らませ、こちらを見るアリスは可愛い。
僕らのアリス。僕のアリス。

「ただ可愛いって言っただけ。食べる気なんてさらさらないよ」
「アリスはあの鳥が可愛いのかい?」

そう聞けばアリスはまた小鳥を見つめ、目を細めた。

「そう」

小鳥はアリスが手を伸ばしても少し届かない場所にいた。

「アリス、君が望むなら」

でも、僕には届く。
不思議そうにこちらを見上げるアリスを尻目に僕は軽く飛び、爪で小鳥を引っ掛けた。
隣でアリスが息を呑むのが分かった。着地した僕の手の中には赤くなった小鳥がいた。爪も赤くなったから舐めてみたけれど、アリスの血の方がよっぽどいい。

「はいアリス」

そう言って差し出してみるけれど、アリスは信じられないようなものを見るかのような蒼白な顔で首を振る。いらないみたいだ。折角アリスのためにとったのに。

「なんで……」
「だって可愛いんだろう?」
理由を知りたそうだったから確かめるようにそう言った。
アリスはまた首を小さく振る。

「可愛いものは欲しくなるだろう?」

アリスは泣きそうな困った顔になった。
可愛いアリス。

「僕はアリスが欲しいもの」



死んだ小鳥がを歌うのなら/



何か変な話ですね。雰囲気とか話の流れは気に入っているのでいつか書き直したいです。


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