NARUTOの小説

□出会い〜イタチとナルト〜
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「うーん…殺すのは簡単だか…出来れば殺したくはない…一つ提案なんだが、俺に一生忠誠を誓うのなら、解放してやる…」
「殺して下さい、情けはいりません…もう俺の帰る場所はないんで…」

そう俺が答えるとナルトは少し悲しそうな顔をした。
少し悩んだ後にまた口を開いた。

「嫌だ、お前は殺さない…帰る場所が無いのなら俺の所へ来い…それでチャラにしてやる…」
「嫌です…」

俺は断固として拒否をした。
もし命が助かったとしても…もう家には居られないのだ…
母親に捨てられるのだ。
強い俺は好きで…
負けた俺はいらない。

だから家に居場所はない。

「なら仕方ない…俺の術でお前を操ってやるよ」
そう言って俺の額に手をあてた。
意識がもうろうとしてきて、何も考えられなかった。
ナルトの声がなぜか気持ちを落ち着かせてくれる。
すぐに俺の身体には力が入らなくなった。

「もう離さないからずっと俺のそばにいろ…」

そう言って身体を拘束していた術を解除した。

俺は何一つ言葉を発しなかった。
時間だけが過ぎでいった。
沈黙に耐えられなかったナルトは口を開いた。

「わかったのなら返事をしろ…思考回路は止めてないはずだが…」
「はい…」
もう選択の余地は無かった。
俺が返事をすると、ナルトは笑い指を鳴らした。
音が鳴り響いた後俺の身体に力が戻った。
先ほどの術が解けたのだ。

「なぜ…術を解いたのですか?」
俺は問う。
解放された理由がわからなかったからだ。
解放した瞬間殺される可能性もあるのにも関わらず…術を解いたのだ。

するとナルトは軽くため息を吐き捨てて口を開いた。

「お前は馬鹿じゃないだろう?勝てない相手に喧嘩は売らない。だから解放した」
「はぁ…なんで知ってるんですか…俺の性格を…それに生かされても困ります。暗殺失敗した事をなんと言えば良いんですか…」
俺の口からため息が自然と零れた。

「そんなの知らないってばよ…それより早く立ち上がれってば…他の奴らが来るから…俺の言う通りに言ってれば大丈夫だってばよ♪」

そういうナルトの顔と口調は幼い顔に戻っていた。
他の奴らが来ているのは俺もわかった。
もう従ってしかなく俺は立ち上がった。
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