悪魔とsugaryhoney
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道にも慣れて暇すぎて暇すぎて、意味も無く外に出た
暇だ、どうして中学3年生なんだ…どうせなら働ける年齢の高校生にして欲しかった……
これからの生活どうなるんだろうか…
達央に一生会えないまま野垂れ死んじゃうのか……
ダメだ‼死んだらダメ‼
バイト…考えなくちゃなぁ
年齢的にアウトだけど稼がなきゃ野垂れ死ぬんだよ、見殺しにするのかって抗議したら良いか…うん、バッチリだ、これなら不可抗力としてバレても免除してくれそうだ…バレない様に徹するのが1番だけどバレた時の言い訳だ
我ながら誤魔化したり嘘をつくのがうまい、
いや…断じて自意識過剰な訳ではなくて
コンビニにガムとイチゴオレを買いフリー求人誌をかっさらって近くの公園で読書する事にした
最近は外で遊ばないインドア派な子供が多いと言うが遊具が楽しそうなものばかりで活気に溢れた子供の元気な声が聞こえる公園だった
良い事だと思う……どんどん遊んで免疫力を付けた方が良い
何か私婆臭いな……
軽く自分の言った事に落ち込んでいると…
風船が木に絡まって困っている女の子が居た
近くに少年がいるけどあたふたして困っていた
「ちょっと待っててね、今取ってあげるから」
後ろから聞こえた頼もしい何ともうるさくないアルトソプラノの声に振り向くと、既に木に登っていて
「はい女の子、これだよね?」
「っふぇ、うわあぁぁぁぁぁぁん…来ないでぇぇ」
子供は素直だなと思った、怖いって素直に言える人は好きだけどちょっと傷付く
「おいっ、泣くな!ちょっ…おいっ‼」
「あー…その、…何と言うか……ごめんなさい私のせいで……ほら、飴あげる。だから泣かないでね…じゃあ」
私は此処でも嫌われ者なんだ、人に関わらないのが1番だ
「ちょっと待って下さい!女の人…」
今、私が呼ばれたのか?だとしたら意味が分からない、逃げよう、怖い、逃げるが勝ちだ‼
「待てって言ってんだろ‼」
待てと言われて待つ馬鹿が何処にいる、ストーカー行為だこれは!多分お金でも巻き上げようって魂胆だろう、綺麗でもない目付きの悪い私がストーカーされる訳がない
美人の女の人ならともかくとして、今私はすっぴんでノーメイクでそれに目付きが悪い、ヤのつくお仕事をしている人の娘だとかよく言われる
だけど男女の体力なんて歴然で追いつかれて腕を掴まれた
「ごめんなさい‼‼今持ち合わせてるお金なんて持ってないから!」
「………カツアゲじゃない…姪が失礼な態度とったから…すいませんでした…」
「……そんな事で?」
今までの若者にはない礼儀正しさだ、こういう子は好感が持てる
最近の若い子はどうやら礼儀を知らない子がいる、二礼二拍手一礼も知らない無知な子が多いらしい
だから新鮮だ…
それにこの子は私の目付きに怯えたりしないんだろうか……
私の目を見た人は皆怯えて逃げ出して敬遠していくのに…
「あーごめん…勘違いしちゃって」
「他人に話しかけられてカツアゲって言う人初めて見ましたよ」
「あはは…はは…(苦笑)……………だから君は不思議だね、私を見たら誰もが怯えて敬遠するのに」
「そうなんですか?別に気になりません、そんな事気にしてられる程器用じゃない」
驚いた……私の目を見ても気にしないでいられる人間がいるだなんて…
だがおそらく少年は噂だとかそう言った類のものを一切信じず、自分のみたものしか信じないタイプなんだろう、クールで如何にも一匹狼という感じがそれを物語っている
「……へぇ、そうなんだ……」
初めて受け入れられた様な感じがして胸の辺りが擽ったかった
「あの……あんまり見ませんよね?」
「うん、あのマンションに越してきたんだ」
「同じ……」
「同じなの?」
「はい」
「私406号室に住んでる鬼籐蘭丸、一応中3…よろしく、えーっと…」
「氷帝学園…春から2年の日吉若…隣の家ですね」
日吉…??その名前に聞き覚えがある様な無い様な…
「お隣さんって事か…じゃあよろしくね日吉君」
そう言って綺麗に微笑んで別れた