本2
□シリアス1
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医療班の一人が阿伏兎を呼ぶ。
「残念ながらことさんは…」
「いやわかってる。団長も、とっくにわかってるはずだ。」
わかってるはずなんだがなぁと阿伏兎はため息交じりに、
手術台に寝かされたことを見た。
あぁ、こんなにあっけなく終わっちまうんだな。
「…何言ってんの。生きてるよ。」
ふと後ろから声が聞こえ振り返る。
もちろんそんなこと言うのはただ一人で。
「団長、残念ですがことさんは亡くなっております。」
「嘘つきは殺しちゃうぞ。」
「団長!いい加減に…っ!!!」
阿伏兎が神威に掴みかかろうとした時、
強烈な蹴りが阿伏兎を襲った。
防御はとったものの、骨は確実に折れた。
「っ団長!!」
「死んじゃえよ、お前ら。」
神威の目には光はなく、いつもの笑顔もなかった。
ただ無表情で、医療班にいた人達を殺して行った。
「阿伏兎、少し船任せるよ。」
「どこにっ、」
「宇宙は広いんだ。ことを治せる天人はたくさんいるよ。」
こんな使えない奴らはもういらない。
そう言い残し、ことを連れ春雨を出て行った。