本2
□シリアス1
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まさかね。
そう思いゆっくりベッドへと近付く。
寝息も、布団が上下する動きも、何もない。
「こと、寝すぎだよ?」
布団を捲れば、ただ普通に寝ていることの姿がある。
そっと手を伸ばしてみる。
「寝すぎだって。冷たくなってるよ。」
「…団長?」
「止血できてないじゃん。仕方ないなぁ。」
腕を持てば重たく、そしてまた冷たい。
神威は少し考えた後ことを背負い部屋を出て行った。
阿伏兎は何も言えず、ただ神威の後ろをついて行くだけだった。
向かった先は医療室。
医療班の人に診てもらおうと連れてきたみたいだ。
「…あの、団長。」
「何?」
「ことさんは…もう…」
「診てよ。」
「だから」
「診ないと殺しちゃうぞ。」
「ーっ、はい。」
医療班数人で手術台へと入って行った。
神威は外で待ち、ただ床へと目線を落とし時間が過ぎているのを待った。
「これは…」
「経穴突かれてるな。」
「夜兎も八咫烏には敵わんか…」