大好き!!

□道 最終章
4ページ/7ページ

そういえばさっき頭に当たったのなんだったんだろう。
地面に転がっている箱を発見した。

『総君、これ。』
「おう。」

総君に渡すと、総君は箱を懐に戻した。
あぁ、生の総君久々だな。

「とりあえず座るかぃ。」
『そうだね。』

縁側に座り、ぼーっとした。
何もしゃべるわけでもなく。

『あ、そうだ。総君。』
「なんでぃ。」
『なんか心配かけたみたいでごめんね。別に振られたくらいで死んだりしないから。』
「おう。」
『だからね、江戸に帰ったら指輪買うから結婚してね。』
「だからの意味がわかんねぇんですけど。」

あぁよかった。
前と何も変わらない会話をしている。
それだけでよかった。
もう欲張るのは止めよう。
ただこうしてるだけで幸せなんだから。

「俺も悪かった。」
『…。』
「…何でぃその顔。」

そ、総君が謝った。
あの総君が私に謝った!!
謝られることなんてないのに!!!

「いやあるだろぃ。人前でひでぇこと言って悪かった。」
『何の話?』
「いやだから、俺にも権利がある的な。」
『あぁ!すっかり忘れてたや!!あははは!!
いやあれだよ?こっちの作業が思いのほか忙しくて言われるまで忘れてた!!だから謝らないで。』

そう言うと、総君はそうかぃと笑った。
つられてまた私も笑った。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ