大好き!!

□なんでもないよるのこーとー
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パトカーに救急箱乗ってるから待ってろと言われた。
遠目からパトカーを覗いた。
栗色の頭がふらふらと動いてた。
総君がいるんだ。
夜中に出勤させてごめんねって心の中で謝った。

「おら、湿布。」
『普通湿布顔に張りますかね。』
「じゃぁ唾でもつけとけよ。」
『やだ。』

頬に湿布を張り、ふぅと一息つくと
土方さんはまじまじと私のことを見てきた。

『何ですか。』
「いや、案外元気そうだなと思って。」

それはあれか。
この間の事言いたいんですか。
元気そうなら聞いていいって思ってんのかコノヤロー。

『まぁ。なんとか。』
「心配すんなって。男なんざこの世にいっぱいいんだよ。」
『うん。知ってるけど。恋は盲目なんだよ。わかってんだよ。』
「ならいいけど。総悟だけが男じゃねェからな。」
『?』
「俺はお前は重てぇとは思わねェよ。」
『土方さんは私みたいなタイプでも大丈夫だってこと?』
「まぁ。重てぇとか知るかよ。そんなん相手次第だろ。」

心が軽くなった。
今まで私って否定されてる気がしたから。

『ありがと。次、もし好きになるなら土方さんみたいな人がいいな。』
「おう。」

店の調査も終わったし帰るかと言った。
送って帰ろうかと言われたけど
兄もいるし、総君寝てるから早く返してあげてと言ったら
土方さんは困ったように笑って車へと戻って行った。


「…。」
「おい、起きてんだろ。仕事しろよ。」
「…。」
「はぁ。」
「…好きなんですかぃ。」
「やっぱ起きてんじゃねェかよ!!!」
「…。」
「ちっ。」
「…。」
「そういうことだよ。」
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