大好き!!

□でにーず2
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二人は昼過ぎまでゴロゴロしてた。
兄が誰この子って言いながら定春みて叫んでた。

「なんか女の子もいると安心ね。」
「そうだろ。」
「それよりちゃんと仕事してるのかしら。なんかゴロゴロしてるだけのように見えるんだけど。」
「大丈夫だって。俺と神楽とみなみの心はもう繋がってるんだよ。」
「いや依頼した内容違うんだけど。」
「あぁ、あれか。」
「…。」

なんだろうと二人を見ると、二人は急に照れくさそうに笑った。
え、この二人どうしたのって顔で見てたら
神楽も同じような顔して二人を見てた。

ふとテレビに目をやると例の母親が久々テレビに出てた。
裁判が終わったようで、どうやら判決は敗訴だったらしい。
記者会見らしきもので泣き叫んでる。

[私の息子の何が悪いのよ!!悪いのはぶつかってきた相手でしょ!!!]

ぶつかってきた相手って…
嫌な気持ちになる前にテレビを消そうと思ったら
声が聞こえた。

「いや悪いのはオタクの息子だろぃ。無免許で事故死する前にも事故おこしてたんじゃぁねぇか。そりゃ死んでも裁判で負けてもしょうがねぇだろぃ。あきらめろぃ。」
[ちょっ、何よこの子!!!]

そこでテレビはきえた。

「やだ。かっこいいわね。」
「いやいや俺もあそこにいたらそれぐらいいうよ。」
「そうあるな。なんか聞いたことあるような声なきがしたけど。」

謝罪の画面をただ見ていた。
さっきの言葉が、私の言いたかった、けれど言ってはいけないことを代弁してくれたことが
すごく嬉しかった。

ただ、ただ嬉しかった。
心の枷が外れた。
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