大好き!!
□でにーず2
2ページ/9ページ
それから。
兄はこそこそと夜中どこかへと出かけて行った。
私はそれを部屋から見ていた。
朝方帰宅する兄はだんだん上機嫌になっていた。
そしてまた夜中出かける兄を見送り
朝方帰宅を確認。
そしてたまに現れる黒服。
真選組だと気付いたのは最近で。
彼は火曜金曜にここを通るので巡回だとわかった。
「あのね、あたしそろそろ働こうかと思うの。」
『…。』
「このままだと、生活できないでしょ?夜あけちゃうけど、みなみいい子でお留守番できる?」
頷くと、いい子ねと兄は笑った。
その日の晩、兄は女物の着物を着て家を出て行った。
あぁ、世間を気にしているのは私だけだったんだなとオカマになった兄を見て思った。
働き出すと早朝ではなく朝帰ってくる兄。
そんな兄を見て、私も何かしなくちゃと思い
翌日、兄が寝ている間に昼間の外へと出て行った。
向かう先はスーパー。
兄になにかできることはないだろうかと考えた結果、
兄の好きなものを買いに行こうとなった。
人とすれ違うたび嫌な汗が出る。
大丈夫、私は可哀そうじゃない。それにこの人たちもそんなこと思ってない。
そう言い聞かせながらスーパーへとたどり着いた。
お菓子コーナーへと行き、兄の好きなレモンキャンディーを手に取った。
私のほかにも飴を見ている人がいた。
その人と目が会った瞬間、ここまで到達するにかかったストレスで
気絶した。