けんもほろろ

□伍 喪失
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もう一皿お団子を頼み、熱いお茶を貰う。
寒くて鼻が痛い。

「ごち。」
『はっ!?お金は!?』
「なんで?」
『なんでってお団子食べたでしょ!?』
「お前の団子だろうが。お前が払えよ。」

そう言って奴は串を加えたまま歩きだした。
なんでだ。
まぁ今日は早くいなくなったからいいかと
持ってきてもらったお団子を食べた。
あ、ポストどこにあるのか聞かなきゃ。
店主に聞くと、すぐ近くにあると教えてもらった。
代金を払い、ポストを目指して歩いた。

「またかよ。」
『…』

ポストに投函を済まし、さぁ帰ろうとしていたら
向かいから奴が歩いてやってきた。
どうせもう屯所に帰るからいいやと無視をしたら
奴もツーンとした態度で黙った。
急いで帰ろう。
ビルの横を歩いていると、上から危ないとゆう声が聞こえた。
なんだろうと見上げたら、上から何か黒いものが落ちてきている。

『っ!!』
「馬鹿!!動けよ!!!」

その場で蹲ってしまい、目を瞑った。
浮遊感がしたと思ったら地面にたたきつけられた。
なんだと目を開けると、目の前で奴が血を流して倒れていた。

『ちょっと!!嘘でしょ!?』

傍に駆け寄り声をかけるも目を開けない。
周りに人が増え、どうしたらいいのかわからず
ひたすら起こしていた。
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