けんもほろろ

□参 拒絶
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公園のベンチで一人座ってた。
そこは野宿した所。
不思議と落ち着くのである。

『最悪だ。』

首が動かない。
もうずっと地面ばっかり見ている。
何人の足を見ただろう。

「御嬢さん。」

声をかけられても、顔があげられないよ。

『なんですか。』

あいつみたいに愛想もない返事。
いつもみたいに笑えたらいいのに。

「一緒に遊ぶアル。」
『…っ、かぐ…らちゃんっ!』

神楽ちゃん、心配してくれたのかな。
重たい頭を上げると、今日見たわんちゃんもいた。

「銀ちゃん嫌いでも、私は嫌いにならないでほしいアル。」
『うん…』
「出会いは悪かったけど、その後が一番大事アル!今はもう友達ヨ!!」
『ありがとう!』
「うん!さよ笑った顔が似合うアル!!」

神楽ちゃんが手を引いてくれて、動けないと思っていた場所から動けた。

『わんちゃん名前なんてゆうの?』
「定春アル!」
『定春!!カッコいい名前だね。あははは』
「思ってないだろ!定春乗れるネ!!一緒乗るアル!」

私犬って乗れるものとは思わなかったよ。
神楽ちゃんのおかげで、いつもの元気が戻ってきた。

『ありがとう、神楽ちゃん。』
「あんな奴気にするだけ時間の無駄アル!私のことだけ考えるよろし。」
『神楽ちゃんめちゃくちゃカッコいい!!!』


「あれ、元気になってる。」
「チャイナにそんなこと出来たんですねぃ。」
「…まぁチャイナ娘は関係ねぇからな。」
「え、としチャイナ娘とも関わらせないつもりだったの!?」
「…」

犬に乗ってはしゃいでる二人に、
三人はほっとした顔をして近づくのであった。
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