けんもほろろ

□弐 労働
6ページ/6ページ

着いた先は万事屋だった。

「行くぞ。」
『えっ!嫌だ!行きたくない!!』

土方さんに腕を引かれ無理やり車を降ろされる。
なんでわざわざ毒を吐く男の所に行かなきゃいけないんだ。
車にしがみ付き、必死に抵抗した。
近藤さんも何があったか土方さんに聞いている。
沖田さんは車からその光景を楽しそうに見ていた。
あ、やっぱ土方さんの言ってた通りの人だ。

「なんでそんなこと言われてんのにてめぇは黙ってんだよ!文句の一つくらい言ってやれよ!!」
『言ったら倍で返ってくるんですよ!それのさらに倍とか言い返せないです!!』

嫌だぁぁと叫んでいたら二階からうるせぇぇぇって誰か飛び出してきた。
最悪だ。あの男だったら本当に最悪だ!!

「あっ!さよアル!!遊びに来たアルか!?」

二階から飛び降り、私の元へと駆け寄ってきたのは神楽ちゃんだった。

『遊びに来てないよ、無理やり連れてこられたんだよ!』
「マヨ、無理強いは女に嫌われるアルよ。」
「てめぇにゃ関係ねぇよ。おら、早く手離せ。」
「ゴリ、何しに来たアルか。さよの嫌がり方半端ないアル。」
「いやぁ、万事屋がまぁたさよちゃんに何か言ったらしくてな。総悟から聞いたとしが怒ってるんだ。」
「また何か言われたアルか!!」

あのくそ天パと神楽ちゃんは毒を吐き、ちょっと待ってろと行った。

『やっ!絶対連れてこないで…!!』

私の声は届かなかったみたいで、神楽ちゃんは二階へと駆け上がると大きな声で叫んだ。
あぁ最悪だ。
二回も会うはめになるなんて…
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ