けんもほろろ
□弐 労働
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スタスタ歩く沖田さんの少し後ろを歩く。
どこに向かうかわからないけどついていく。
「じゃ、適当に見繕ってもらって。」
『何をですか?』
着いた先は呉服屋。
「服、ねぇんでしょ?」
『まぁ。いやでもお金まだ持ってないんで大丈夫です!!』
「大丈夫でさぁ。全部土方のカードで買うんで。」
『…?』
ん?土方さんのカードって、土方さんがカード貸してくれてるってことなのかな?
「まぁ細かいことは気にしねェで、綺麗な服着てきなせぇ。」
あそこの甘味屋にいるんでと、沖田さんは歩いて行ってしまった。
『…』
どうしよう。
私最近の着物とかそう言うの全く分からないんだけど。
店主が何をお探しですかと聞くので、なんでもいいですと言ったら
すっごい綺麗で、すっごい高い着物持ってきた。
さすがにこれを土方さんのカードで買う勇気はない。
『…私お手伝いの仕事してるんで、動きやすい着物がいいかな。』
わかりましたと、次は小奇麗な着物を持ってきた。
『雑巾がけとかするんです。汚れてもいいようなやつがいいです…ごめんなさい。』
すると店主は5枚の着物を持ってきた。
この中から選べとゆうことか。
一枚選び、土方さんのカードにお礼を言って購入。
「着て帰りますか?」
『いえ、持って帰ります。』
着て帰るなんて…そんな言葉生まれて初めてです。