けんもほろろ

□壱 出遭
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ゴリラさんに話をした。
ここに来たこと。

後ろで銀さんと、煙草の人が言い合いをしている。

「だからなんで働くところが風俗なんだよ!!どっからどう見ても未成年だろうが!!」
「だーかーらー!!きたねぇ着物着てんだろうが。手っ取り早い乗ったら風俗しかないの!!」
「お前女をなんだと思ってやがんだよ。」
「…あいつは女じゃねぇし。」

『…あはは。』

やば。
ちょっと泣きそうだったりする。
何でそこまで嫌われなきゃいけないのかわかんない。
てゆうか苛々する。
昨晩の私が悪いのなら謝る。
でも、それはない。

「ーっ、近藤さん、こいつ逮捕だ。さよだっけ?お前はそのまま屯所で働け。ちったぁ金にはなるからな。」
「そうだな!万事屋にはがっかりだ。」
「降ろしてくんないの。もうこいつといたくないんだけど。」
「そうだな。さよもお前なんざと一緒にいたくねぇだろうよ。」
『そうですね。もういいです。ご迷惑おかけしました。』
「…愛想悪。」
『あなたに言われたくないですね。あぁ、昨晩も失礼しました。怖がらせてしまって。』
「別怖がってないし。お前が嫌だっただけだし。」
「もう話さなくていいよ。」

ゴリラさんは私の頭を優しく撫でると、笑ってくれた。

『…っ、うぅ』

後ろですぐ泣けばいいと思ってんなよって聞こえた。
もう嫌だこの人。
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