大好き!!
□三か月。
1ページ/4ページ
「三カ月…。」
兄が絶望的な顔をしていた。
「わりぃな。行方不明者の捜索は三カ月でしまいなんだ。」
「でも俺たちは探すから!!大丈夫だよ!!」
土方はばつが悪そうに言うと近藤が慌てて答える。
「…。」
沖田はただ黙って三人を見つめるだけだった。
「(何やってんだよ。)」
「死んでたらどうしよう…あたしもう生きていけないわ。」
「ばっ!馬鹿な事言うんじゃねェよ!!生きてるよ!!」
どうしてそう言いきれる?
兄がそんな顔で見てきた。
「俺が、死んで詫びまさぁ。」
「沖田君?」
「もしあいつが死んでたら俺のせいでさぁ。だから…」
「何言ってるのよ!沖田君が死んだってあの子は戻ってこないのよ。だったら、精一杯生きて頂戴。」
兄は弱く笑うと、沖田は顔をそむけた。
「馬鹿なこと言ってごめんなさいね。」
兄は沖田の手を取り、もう一度笑った。
「大丈夫よ、あの子約束破ったりしないもの。帰ってくるわ。
きっと指輪買うためにどこかで働いてるのよ。」
「…。」
「馬鹿な妹でごめんなさいね。指輪を持ってきたときは正面からふってあげてちょうだい? そうすればあの子もわかってくれるから。」
頷くことも、首をふることもできなかった。