けんもほろろ

□壱参 自覚
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非常にまずいことが起こった。

「さよ買い物…」
『ごごごごごごめんなさい!これから女中さんの仕事がっ、断れなくて!!』
「またか。ならしゃぁねぇか。」
『すみません。』

土方さんの頼みを断り続けて早10日。
どうしても屯所から出られないのだ。

『…後ろめたい。』

のろのろと廊下を歩き、厨房へと向かう。
今日はお昼のお手伝いをしよう。
そのあとは屯所内を掃除しよう。

「なんかあったんですかぃ?」
『はぁ…外に出たくなくて。』

沖田さんと縁側でお団子を食べるのも
もう10日目だ。
そう、一緒にサボって10日。
そして角をはやした土方さんが来るのも10回目。

「お前らいい加減にしろよ!!!!」
「聞き飽きやしたぜ。」
『そうですね。』
「…丁度よかった。てめぇらこれ持って行って来い。」

そう言って土方さんは風呂敷を沖田さんに投げた。

「そういうのはさよにやらせてくだせぇよ。」
『そういうのは沖田さんだけでいいんじゃないんですか。』
「おう。だからてめぇらだけで行ってこい。」
「『…』」
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