けんもほろろ

□仇 暇人
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正月も過ぎ、屯所もだいぶ暇になってきた。
お正月は酔っぱらいとか酔っ払いとか、
酔っ払いでいっぱいだった。

『暇ですね。近藤さんいないし。』
「なら遊びに行って来いよ。」
「お年玉まだ残ってんだろぃ。全部使ってきなせぇ。」

副長の土方さんの部屋でくつろぐ沖田さんと、
何か用事はないかなと部屋に寄った私。
いつのまにか雑談になってて
沖田さんに至ってはゲームをし始めている。

『お年玉の使い道がわからないんですよね。』
「マヨネーズとかでいいんじゃねェの。」
「俺お菓子がいいでさぁ。」
『それ二人の欲しいものですよね。』

財布を取りだし中を確認。
う、お給料より入ってる。

『…しかしこんなにお年玉をいただいていいのか…』
「ほぼ全員からもらってやしたね。」
『そうですね。沖田さん以外の人から全員に頂きました。』
「え?ザキにも貰ったんですかぃ?」
『はい。なんか…年の近い人から貰うのは気が引けますね。』

そうなんだよね。
お年玉って12歳くらいまでかとおもっていたから
この年になってもらえるなんて思わなかったよ。

『…残るもの。』
「じゃぁ着物だな。」
「めちゃくちゃいいの買ってきなせぇよ。」
『いつ着るんですか。』

でもまぁ近藤さんに買ってもらったのを含め、四着しかないからな。
これは女の子にしては少ないと思う。
なんなら簪とか、そうゆうのも買ってみようかなと
変に色気づいてみる。
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