けんもほろろ

□八 屯所
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車に乗っていたはずなのに、私たちは今歩いています。
神楽ちゃんと沖田さんが喧嘩を始め、
後ろでは土方さんと奴が喧嘩をしていて、
私と新八君は止めていたんだけど無駄だったみたい。

『寒いんですけど。』
「これ貸してやりまさぁ。」
『ありがとうございます…』

マフラーの上からまたマフラーを巻けと?
まぁいいかと巻いたら前が見えなくなってしまった。

『ちょ、誰!!今ギュってしたの誰ぇぇぇ!!』
「銀ちゃんアル。」
『おめぇぇぇ!!首ギュってなったじゃんかよ!殺す気かよ!!』
「お、首輪みたいになってやすぜ。こりゃいい。」
『…散歩みたいになってるんで止めてくれませんか。』

ここにいたら不味いなと思い、土方さんと新八君の間を歩くことにした。

「銀さんといつの間に仲良くなったんですか?」
『え?!どこをどう見たら仲良いの!?』
「一緒に団子食ってたじゃねェか。よかったな。」
『よかった!?え!?』
「銀さん慌てて追いかけたから仲直りしに行くんだなと思ってましたよ。団子だったんですか。」
『ねぇ聞いてる?どこも仲良くないよ!?』

でもまぁ団子屋から厭味とか言われてないし、
少しは私のことマシに思えてくれたのかなとか考える。
前方で三人が雪投げをしているのをちょっとうらやましいと眺める。
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