けんもほろろ

□陸 気持
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事故以来私は奴に会ってない。
もうすぐ年も明けるので怪我の様子でも見に行こうと思っていた。

「さよ客ですぜぃ。」
『私に?』

一体誰だろうと屯所入口まで迎えに行く。

『あ、新八君、神楽ちゃん!』
「久しぶりアル!」
「お久しぶりです。」
『寒いでしょ!中入って!』

自室へとあがってもらい、お茶を出す。

『どうしたの?二人で。あ!奴の怪我どう?』

わざわざ会いに行かなくても二人に聞けば早いじゃんと思い
多分少しテンション高かったと思う。

「そのことでお願いがあるんです。」
「銀ちゃん、ずっと寝てて怪我がどうなったかわからないアル。」
『?もう二週間くらいになるよ?』
「部屋から出てこないアル。」

え?まじで?
なんで?やっぱり打ち所悪かったの?

「多分僕たちが帰った後ご飯とかお風呂入ってるみたいなんですけど、姿は見せてくれないんです。部屋に入っても布団にくるまってて。」
『でもそれを私にどうしろと?』
「銀ちゃん、さよが来たら元気になるアル。」
『まさか。余計元気なくなると思うけど。』
「えー?でも銀ちゃんさよと話してる時ウキウキしてるアル。」

ウキウキ!?
厭味を言う時ウキウキってそれもう最悪じゃんか。

『…で。』
「「怪我の様子見てきてもらえないかな。」」
『…』
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