いつわり短編
□欲は甘い吐息に溺れて
1ページ/1ページ
閨を見るたび、
ワシは閨が欲しくなる。
コロコロ変わるその顔も、
細い手首も、
ソプラノの声も、
髪と同じ色をした…その唇も。
全てを自分のものにしたくなる。
「空、さん…?」
あぁ…、今すぐ食べてしまいたい。
そんな欲情に溢れて、ワシは気づけばねーちゃんを壁に押し付けて、手首を掴んで、両足の間にワシの太腿を入れて、逃げられないようにしていた。
「ねーちゃんが、ワシのものになればええのに…」
「ぇ…ひゃっ!!」
赤色に染まる頬に掌を滑らせれば、高い声を上げて、ピクリと震えるその身体。
全てが可愛くて、愛しくて。
なのに……
「どうしてねーちゃんは蝶左を見るんや」
いつもいつも、
ワシはねーちゃんを見ているのに。
ねーちゃんの目に映るのは、アイツ。
緑色の髪をした、身長が高くて、ワシなんかより数倍大人で。
…嫉妬なんかに燃えるワシは餓鬼当然で、なんだか泣けてくる。
「…ねーちゃん、」
壁に背をつけて、ビクビクと怯えた目を向けるねーちゃん。
そんなねーちゃんも悪くない。
「空さん、一体どうしたんです、の…?」
どうした…?
特に理由はあらへんけど、
ただ、ワシはねーちゃんが欲しくて……
自分だけのものにしたくて、ただ、こうして無理矢理にでも手にいれようとしているだけ。
「ワシな」
「ねーちゃ……閨がホシイ」
目を見開いたねーちゃんの唇に、ワシの唇を押し付けて。
逃げようとする身体を押さえつけて、何度も何度もキスをする。
「っ、ふぁっ…うつ、んぅ」
溢れる甘い吐息に溺れたワシは、きっともう止められない。
うは、甘いおぅぇぇ←
きっとこの後はR-18な訳だ、うん←
空の嫉妬はキツそうだなぁ…