いつわり短編

□そんな彼等の日常
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偽学園高等部2年、男五人衆。
只今昼休み、屋上にて昼食タイム。

とか、カッコつけてみたけど、あんまりカッコよくもなかったんで、とりあえずまぁ、五人の会話を聞いてみましょう。











ー偽学園屋上ー


「やっぱさ、八嶋ぐらいスタイル良いと恋人とかになった時便秘だよな!」


突然烏頭目が言い出した訳のわからない発言に、昼食をとっていた全員の箸が止まる。


「便秘?便利の間違いだろ」
「あ、そーそー、それそれ!もしも八嶋が彼女だったら…とか思ってさ」
「ねぇ、トリくん、それは俺にケンカ売ってるわけ?」


八嶋の彼氏、控はニンマリと不気味な笑みを浮かべる。


「え?いや、違う違う!だって俺、みなも一筋だし」
「なら良かった。さっきのが別の……俺が予想したのと同じ意味だったら君を殺すとこだったよー」
「控……」


控は相変わらずニコニコと…はっきり言えば気持ち悪い笑みを浮かべ、岩清特性のダークマター入り弁当に箸をのばす。


「…なぁ、それ…真っ黒いの美味いワケ?」
「え、なに?食べたいの?ん?」
「い、いや、食べたいとは言ってないワケ……」
「えー、ほら、食べてみなよ、遠慮しないで、死にはしないと思うから」
「ちょ、待、…くっさぁぁぁぁぁぁあ!?」


蝶左の断りを無視り、ずいずい箸を口元に近づけてくる控に蝶左は悲鳴を上げる。
そのすぐ後に何かが倒れる音がしたのはきっと気のせい。


「全くお前ら……昼食う時くらい静かに出来ねーのかよ」


三人の様子を見ながら…、やれやれ…と言った表情を浮かべる薬馬。
そんなオカン気質、毎回爆発中のオトメン(おとめん!!?)に先程から携帯を……いや、携帯しか弄っていない空が殺人的一言をかます。


「うるさいわ、万年片思いオトメン」
「なっ……万年じゃねーよ!」
「あ、片思いとオトメンのとこは否定せんのやな…」
「うるせぇ」
「でもさー、実際、この場にいる五人の中で唯一独身なの「独身言うな!」薬馬くんだけだよねー?」
「せやせや、控は八嶋やろ?烏頭目は蛙やし、蝶左は鼓やし、ワシは……閨やし?」
「え、何、なんで今一瞬間開けてドヤったの?」
「どやぁぁぁぁッ!」
「っ、うぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!イジメだぁぁぁ!これは正当なイジ「どやぁぁぁぁ、どやぁぁぁぁ、どぉぉぉやぁぁぁぁぁ」……」
「あ、ちょ、空くん、今のはヒドイよ、みんなそれやりたくても我慢してんだからー」
「おい控…お前は誰の見方なん「空くんに決まってんじゃん」」
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁあん!!」


ドタバタとよろめきながら屋上からいなくなる薬馬は、誰にも見送られず、四人は互いの恋愛話を始めた。


「…でさ、どーなんだよ蝶左んとこは」
「は?どーなんだって……なにが?」
「んもぉー、とぼけちゃってぇー」
「やべぇ、烏頭目がキモイ」
「あ、キモイって言ったぁー!キモイって言った奴がキモイんですぅー」
「じゃあ、お前今キモイ三回言ったから俺よりも遙かにキモイな」
「むきぃーっ!!蝶左のバーカバーカ!!変態、奥手、女に対してもSになれない万年M男!!」
「んなっ…バカの後の三つは意味わかんねーワケ!!!」
「だってそーじゃん!変態でしょ?中々手が出せない奥手ちゃんでしょ?『ヤらないか?』的な流れになってもきっと蝶左はエ「よーし、分かった。お前ちょっとこっちこい」」


蝶左の腕に首を締められた烏頭目は、空と控からは見えない場所に移動した。
その時の蝶左の顔は、まさに顔から火が出ると言っても過言ではないほど赤かった。


「なんだかんだしたら、二人になっちゃったねー」
「せやなー」


空は相変わらず携帯しか弄っていない。
というよりも、もはや携帯しか眼中に入っていないレベルで携帯しか弄っていない空に、控は若干引いた。


「もー…昼休みにそんな携帯いじるくらいなら、はなからねーちゃんと一緒に昼休み過ごせばいーのにー」
「えー…ワシがそんな20分以上も閨と二人きりやったら、ワシ多分その日の五、六限授業おらんで?」
「え、なに考えてんの空くん」
「せやなー、二時間以上もあったら何回ヤレるかのー?」
「あ、ねぇ、ダメだからね空くん。それ以上は18き「5回……いや、それよりも閨の体がもつかのぉー?」ダメだよ空くんんんん!!一応破らないようにしてんだから、18禁!!!」
「え?破らないん?まぁ、確かにアレはハジメテをむかえ「駄目だってばぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」」
「わーったわ!!もぉ、それ以上大声出さんでええわ!!全く…うるさいったらあらへんわ…」
「それ空くんが言える立場じゃないよね」


強烈な控のシャウトにより、空はおとなしく口を閉じた。


「あ、そういえばさ、岩清の誕生日って2月の2日じゃん?」
「せやな。んで?」
「俺の誕生日は2月の22日……まさかの2繋がり!これって運命みたいだ「きも」」
「ひどいよ、空くん……」
「きもい思たからきもい言うて何が悪い」
「平仮名が繋がってて、ある意味気持ち悪いよ空くん……」
「余計なお世話や」


その時、控の制服のポケットに入っていた携帯から着信音が鳴った。


「お、浮気相手からか?」
「うるさいよ空くん。ちなみに俺は岩清しか興味無いから」
「お?お?お?」
「黙れ狐」
「なんか……ワシのキャラ崩壊しとるな…」


ブツブツと何かを…何かを呟く空を横目に(大事な事なので二回言いました)、控は『俺の嫁』と表示された携帯に耳を当てた。


「あ、岩清ー?どうしたのー?」
「わ、きも、急に低音から通常の声に変わるとかー、どっかの家庭にいそうな母親みたいやん」
「あー、うん、今の空くんの発言は無視で」
「えー、つまらへんつまらへん、ぶーぶー」
「うん、今からここ移動するからちょっと待ってて」
「あ、ちょ……あぁー…」


控も薬馬に続き、屋上からいなくなると最終的に一人残された空。
蝶左と烏頭目も一応は屋上のどこかにいるものの、いっこうに帰ってくる気配がない。

すると、空の目にはうっすらと涙らしきものが…


「ぅっ…皆してワシを一人にしおって…」


なんかの切ないBGMが流れそうな程、哀愁が漂い始めた空の元にピンク頭が現れた。


「空さん?」
「……あ?」
「あ、やっぱり空さんですわ!…全く……メールに『寂しい、会いたい、会いたい、会いたい、会いたい、会いたい、襲いたい』って書かれてあったのでビックリしましたわ」
「ね、ちゃん……」
「?なんですの……?」


閨を見て呆然とする空の瞳から、どんどん溢れ出る涙。
その手には強く握り締められた携帯と、蓋のついていない目薬が。


「ねーちゃんっ…ワシ、ワシッ…」
「まぁまぁ、泣かないでください。私はここにいますから」
「ちゃうねん…」
「強がらなくていいんですわ」
「ちゃう……あんな、ワシのこれは…涙は……………目薬さして出た涙なんやぁ〜」
「ねぇ空さん?空さんにはムードという素敵なものを感じる頭がありませんの?」
「ワシは頭エエ」
「そういうことではありませんわ」


折角来てあげたのに……と心中で思い、口に出た言葉は、風に掻き消された。


「もぅ…私帰りますわ。授業もあと少しで始まりますし…」


明らかなるやつれを顔に浮かべ、それでは…、と空から離れいく閨の腕に不意打ちの手がのびた。


「…ただでは帰さんでぇ」


うへへへへ…と変態まっしぐら、…いや、もはや変態としか言えない鼻息フーフー、息をハーハー荒くさせながら閨に抱きつく空に、閨は悲鳴を上げる。


「誰か!誰か助けて!ここに変態が、アッ、ちょっ……ゃん、ぁあ!!」
「何つー声出しとんねん!!まるでワシが変態みたいやない「いやぁぁ、触らないで、ここに変態狐がいるぅぅぅ!!」誰が変態や、誰が!!!」


まぁ、上記はちょっと言いすぎたが「言いすぎやわ、アホ!!!」、とりあえずまぁ、そんだけ空は閨を欲しているわけです、まる。


「おい、愛し合ってる最中「変な言い方すんなや!!!」悪いけど、お前らはたから見たらかなり……」
「「キモイ」」
「ワケ」
「わざわざ、二人で声合わせんでええわ!!」
「いやー、ここに変態がー」
「閨……今日の放課後ワシん家決定な」
「おー、なら空……明日も学校あるからほどほどにな」
「烏頭目、そこドヤるとこじゃないワケ」
「どや!」


胸を張ってドヤ顔をする烏頭目をスルーするように、五限の始まりを知らせるチャイムが屋上にも鳴った。


『キーンコーンカ…』

「あ、授業始まっちゃいましたわ…」
「ワシ思うんやけど、この学園のチャイム中途半端すぎん?」
「俺も同感なワケ」
「破片で言う、『カーン』のカの部分で終わるよな」
「破片じゃなくて世間」
「あ、そーそー、それそれ、蝶左頭いー」
「お前が悪すぎるだけなワケ」


蝶左の声を最後に、暫しの沈黙が四人の間に流れる。
すると、先程から幾度か欠伸をしていた烏頭目が一際大きな欠伸をし、微かな笑いがその場を包んだ。

…その後、四人はのんびりと、遅刻決定の授業の始まっている教室に向かう。


「あ、今思い出したんやけど…」
「「「?」」」


四人の足がピタッと止まる。



「今日の五限って、学年共通のテストやなかったか?」
「「「あ………」」」



































































はい、キャラ崩壊すいません。
ちょっとふざけたかっただけなんです。はい、すいません。
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