いつわり短編
□大きくなったら
1ページ/1ページ
「ぼくね、おおきくなったらねやとけっこんするんだ!」
糸目の奥に隠れた小さな瞳を瞬かせてあなたは言った。
「じゃあわたしはうつほさんのおよめさんになる!」
「うん!ねやはぼくがしあわせにするからね!」
そう約束したあの日から、私達は時の進むまま大きくなって、沢山の事を学んで、大人になった。
そして、今あなたは私にもう一度プロポーズをする。
「閨、ワシと結婚してくれへんか?」
らしくない、大きな花束を抱えて、あなたは私に二度目のプロポーズをした。
「ええ、もちろんですわ」
ーENDー
(あの日の約束をもう一度)