D'Gray-man
□妬けるココロ
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僕は多分、独占欲が強い。
……いや、絶対。
だって、好きな子が他の男と話しているのを見てしまっただけで、こんなにも心がムシャクシャするのだから。
「ね?リナリー」
「あ……アレン君…?」
驚いた様な、怯えた様な顔をしたリナリーは、只今僕によって責めよられている。
「と……とりあえず……近いよアレン君…」
リナリーの顔の両脇に、己の手を置き、逃げられないように壁と自分の身体でリナリーの身体を挟むようにしている状態。
アレンとリナリーの顔の距離……
僅か3センチ。
「……ラビと何を話してたんですか…?」
数分前、リナリーとラビは廊下の片隅で、何やら密かな会話をしていた。
……二人共笑顔で。
僕は、たまたまその場に出くわして、遠く離れた廊下の陰から二人の様子を見ていた。
……イラッ…。
フツフツと沸き上がる、醜い何か。
イライラが止まらない。
今すぐにでも、リナリーをさらって、このイライラを別の感情でぶつけたい。
……そう思ったら、すでに身体が動いていて。
ラビと話していたリナリーの腕を掴んで、誰も使っていない真っ暗な部屋へと連れ込んだ。