モノクロ少年少女

□抱き枕にするなら
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「おい、チビブス」

「んん〜・・・もうちょぃ・・・」


そのまま、また眠りに入るこいつはどうしたものか。
生徒会室にあるソファに寝転がり、可愛ら・・・気持ち悪ぃ寝顔を浮かべたチビブス。

・・・いや、はい、可愛らしい寝顔です。

すぅ・・という寝息が何とも言えな・・・じゃなくて。


まぁ・・・寝るのは別に構わないし、生徒会室にあるソファは生徒会部員の物なんだし使って構わないだろう。

だけど・・・

「・・そろそろ俺、理性が持たねぇんだけど・・・」


頭と首に回された細い腕に、すぐ目の前にあるこいつの顔。

まさか自分が、他人の抱き枕にされる日が来ようとは夢にも思わなかった。
しかも相手はこいつ。
仮にも、自分が想いをよ・・・嫌っているつもりの奴だ。

べ、別に想いをよせてるとか言おうとかしたわけじゃねぇからな!!
き、き、嫌いだしこいつ・・。

ま、まぁとにもかくにもだ。
この状態は流石にまずい。
もしも、茅か蝶々がこの光景を見てしまったら・・・。

想像するだけで、先が思いやられる。

そんなことを考えていたら、呉羽の唸り声と、ぎゅうと力の込められる二本の腕。
それに乗っかって、不意に感じた額への違和感。
更に近づいた俺とチビブスの距離。
パニックになる俺。

一瞬、時が止まる。





・・・・・近えぇぇえぇえ!!!

え、ちょ、何これ?
ガチで目の前人肌じゃねぇか!


ん、人肌?ここじゃ、こいつ兎だから・・・兎肌が正当・・・って何訳わかんねぇこと考えてんだ!!


でも、俺が見てる人・・兎肌の位置・・・・


「お、おい、呉羽・・・お前もしかして・・・」


ドキドキ高鳴る胸を必死で落ち着かせ(全く落ちつかねぇ!!!)ながら、チビブスの腕に締め付けられる頭をどうにか動かす。
そして、ゆっくりと上に視線を動かせば、そこ・・俺の額があった場所にこいつの小さな唇一つ。


「おまっ・・おまっ・・・」


顔が熱い。身体も熱い。
何かを発そうとしても、口が震えてパクパクとしか動かない。

そんな時にやってくる、まさかの来訪者。


『ガチャ』

「え!?」


ドアが開く音。
それと同時にピタリと動きを止めた二つの気配。

やべぇ、悪い予感しかしねぇ・・・

その予感も当たっていた訳で。
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