モノクロ少年少女
□俺のもの
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『バンッ!!』
勢いよく部屋のドアを開けて入ってきたのは、いつもの様にテンションが高いチビ女。
「おい、ドア壊すなよ」
「こ、壊さないよ!」
可愛らしいウサミミを上に立てている様子を見ると、どうやらご機嫌のようだ。
ほら。鼻歌なんかし始めた。
「チビブス」
「ん?」
そのニコニコ顔。
どこで作ってきた。
「何か良い事あったのかよ」
「え?わ、分かる?」
バレバレなんだよ馬鹿。
「いやぁ〜・・実はね、その・・・・ラブレターと言うものをもらったんだけど・・」
「・・・・・は?」
ラブレター?ラブレターって・・・
「おい、その貰ったラブレター見せろ」
「は?え・・やだよ!何で右京に見せなきゃならないのさ」
ゴソゴソと自分のポケットからラブレターを取り出したこいつは、正真正銘の馬鹿だと思った。
「これは私が貰ったラブレターだ。右京になんか見せなっ・・ちょ、右京!!」
呉羽の手に握られていたラブレターを無理矢理奪い、サッと封を開けて、中身を取り出し、一気に内容を読んだ。
「・・・おま・・食べてしまいとか書いてあんじゃねーか」
「ちょ、見・・あぁぁぁあああ!!!」
ビリビリビリビリ。
真っ二つに裂けたラブレター。
呉羽の止めを無視し、俺は更にそれを細かく細かく破く破く。
破く破く。
パラパラ・・・
文字なんて読めない。
本当にこれがラブレターだったのかさえ疑える程に千切り、空中に捨てた。
「な・・何してんの!?読めなくなっちゃったじゃん!!てか、これ私のラブレター!!」
「そんなにラブレター嬉しかったのか?」
「当たり前じゃん!!生まれて初めて貰ったラブレターだったのに!!」
よし。こいつにラブレター渡した奴殺す。
でもその前に・・・
「ぅ・・・わっ!!」
呉羽の華奢な腕を引っ張って、俺はそのまま呉羽をベッドに押し倒した。
「おいチビブス」
「チビブス言うな!!」
「呉羽」
「なっ・・何・・・」
その顔。
名前呼んでやっただけでこれだもんな。
「ラブレターなら幾らでも俺が書いてやる」
だから
「他の奴から貰ったラブレター何かに嬉しがるな」
お前は俺にだけ嬉しがってれば良いんだ
ーENDー
(うっきょん俺にもちょーだい!!)
(私も欲しいですわ)
(なっ・・!!お前ら盗み聞きなんかしてんじゃねぇ!!)