モノクロ少年少女
□熱
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『ポンッ!ポポンッ!ポンッ!!』
「皆!!準備万端かな!?」
「忘れていることは、ありませんの?」
「や…やっとこの日がやってき…来たぜ…!?」
「くくっ……さぁ、皆さん……」
呉羽の言葉に合わせて、三人は息を吸い込み、全員ピッタリのタイミングで声を出した。
「「「「ケダ高祭開幕ー!!!」」」」
「「わぁーー!!!」」
舞台を中心に、全校生徒が喜声をあげる。
本日、10月26日は、ここ『毛保乃高等学校』……通称ケダ高の大イベントの一つ、年に一度の文化祭の日である。
ケダ高祭は、トータルで三日間の間行われ、その一日目が今日なのである。
「いやぁー、今年も盛り上がりそうだね、ケダ高祭!!」
開幕宣言を終えた、呉羽、右京、茅、蝶々は自分達の受け持つ屋台に向かって歩いていた。
「本当に文化祭は良いですわね!!蝶々、文化祭大好きですわ!!」
「オレも大好きー!!大大大大好き!!」
「あら?蝶々は大大大大大好きですわよ、茅王子」
意地の張り合いを始めた二人を、後ろから見つめる呉羽と右京。
「別にどっちもどっちだろ?なぁ右京?」
「俺はお前が大大大大大大大大大大大大大大嫌いだな」
「ちょっ……」
真顔で言われて項垂れる呉羽を、いつの間にか隣に来ていた茅が抱き締める。
「もー、うっきょん駄目だよ、苛めちゃー?まぁ、オレは呉ちゃん大好きだから良いけど!」